2008年07月13日

煉獄サアカス「マドリーと黒猫騎士団」初鑑賞

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煉獄サアカスLIVEの「マドリーと黒猫騎士団」、
それはそれは大変結構なエンタメ集団の熱演でした。
人を呼んで見せる作品として見事に仕上が っていました。
25人もの芸人(舞台表現者)を取りまとめて、
あのようにドラマチックに演出されていることに驚きでした。
女性ボーカル、管楽器、弦楽器、打楽器、キーボード等の
音楽セクションの多彩なサウンドは絶妙で、
合奏、伴奏、ソロ、アンサンブル、即興、効果音…、それぞれ秀逸でした。
楽団を背後に控え、狭い足場ながらも黒魔術の妖星のように
エキゾチックに舞うベリーダンサーたちの陰影の重なりは、
しなやかでファンタスティックでした。
物語を押し進める役者たちのコミカルで滑舌のいい演技、
そして、マイクなしで満場に響き渡る声、その肉声を生かす
インストルメンタルのPAバランスのよろしさなど、敬服しました。
神山てんがい団長は、多岐に渡る役割を演じつつ、
全体に溶け込みながらの指揮進行をこなしていることに目を見張りました。
韻律豊かな口上風ナレーションに、よりいっそう幻の彼方へ導かれました。
演劇と音楽と踊りとパフォーマンスのみにあらず、
「煉獄サアカス」たるサアカス団の本領もしっかりと描かれていました。
サウンドやビジュアルは勿論、台詞での空中ブランコ、具象の一輪車、
生身の曲芸師らが目の前に登場します。
誰しもが脳裏に住まわす危ういノスタルジーに誘い、
悪夢の中の花園に遊ばせてくれます。
花粉を唐辛子に化かす激辛占いのオペラおばちゃん、
お喋りお姉ちゃん、掴みどころがない器用なお兄さん、
乱舞する黒揚羽、てんがい氏の魔法のランプ、魔法の絨毯、
暗躍する黒猫たち。焼酎に酔う口の減らない女。
思わず笑ってしまう待機の楽師、もらい笑いする観客。…。…。
本物の笑いの連鎖。
緊張がほぐれ血の巡りがよくなったと思いきや、
体育座りの脚が痺れたのは私だけだったようで…。
二部の中盤は、立ち見席に移動して見納めました。拍手喝采!

              *

「俳ラ」のギネマこと渦氏に言い及んでいなかったので、追記を。
ほぼ定刻通りに始まると、70人のキャパシティーが超満員の
客席通路の奥から騒がしいブラスの音が聞こえてきました。
トランペットのオジサマとアルトサックスの金髪女性が、
吹きながら現れ、舞台に上がって所定位置につきました。
お二人は楽団のど真ん中に陣取って隣り合わせておりました。
楽団最前列の中央には、小ぶりなハープのような縦琴(アルパ・奏者akiko氏)が
据えられており、丁度その後ろがアルトを携えたスカートの金髪女性でした。
なんだか首の上がギャル曽根みたいでした。この人が渦氏です。
カツラなんですね。金髪と金管とくればリッチな音でしょう。
先ずは、お隣のトランペットの佐藤徹志氏の音にほだされました。
しかし、触発されてか元々そうなのか、
渦氏のアルトもバリバリ雄叫びを上げ真に爽快でした。
その場で立ち上がってフリーキートーンを爆発させるあたり、
地道な努力の結果の賜物なんだなぁと、羨望の眼差しを捧げました。
あれだけ大人数では無理でしょうが、いつかロングソロで打ちのめして欲しいものです。
短めでしたがトランペットとのユニゾンやハーモニーに注目しました。いい感じでした。
向かって左後方にフルートを構えたサングラスの渋い男性(狩俣道夫氏)がおられて、
これら三管は、煉獄サアカス楽団に於いて、パンチとキックの打撃系インパクトを
担っているのだと勝手に解釈しました。
サウンドも音楽ジャンルも多様でムードメーカーのストリングスセクションが、
同団の豊かな個性として、ベーシックで無限の可能性を秘めているのだと仮定すれば、
殴り込みのホーンセクションには、ますます期待が高まるばかりです。
打撃と言えば筆頭のパーカッションは立岩潤三氏のみでしたが、
小憎らしいほど十分に轟いておりました。
HIROUKI氏の噂の電気カリンバの複雑怪奇なソロにも度肝を抜かされました。
初耳初体験でした。他にも個々の皆さんの素晴らしい芸に感動しました。
渦サックスは水を得た魚のように生き生きと飛び跳ね、うねり、
すいすいと泳いでいました。やはり適職とお見受けしました。
出し物のグレードの高さと会場あふれんばかりの人だかりを見ても、
もはや職として成り立つのではないでしょうか。
好きこそものの上手なれ、上手は職につながるでしょう。
…とは言ってみても現実は厳しいですから、
まだ見ぬ夢を買いに「煉獄サアカス」へ出かけたのでした。 33-3793

※初出mixi、Jiken日記/推敲
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
煉獄サアカスLIVE「マドリーと黒猫騎士団」
2008年7月13日(日)  
 昼の回 open 13:30 start14:00  (これを見ました)
 夜の回 open 19:00 start19:30
於 ライブダイナー プリズントーキョー(東中野東口)
チケット:2500円+1drink

▽HP「煉獄サアカス」
 http://rengoku-circus.info/
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posted by 二健 at 23:17| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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歌劇楽団鑑賞歌
(煉獄サアカスLIVE「マドリーと黒猫騎士団」に取材-30首)

  煉獄のメロディ
                         宮崎二健
七月の日差しを背負い地下室の煉獄サアカス花火の如し
口上の韻律を次ぐ喇叭隊よよ絡みつく青蔦の兵
銀色の横笛構え黒髪のダンディ一際さえずりの時
へその緒のつながりしまま爪弾くは果鈴歯という魔法のランプ
右手にはビールジョッキの冷たさをその片方は握られた汗
歌姫の胸板借りた地平にも一輪車来て茜雲浮く
踊り子の痩身包む黒ごろも腰で鳴き合う金属片よ
断腸の思いで臨む団長の爪弾くギター軍配の如
雛壇の女雛男雛の持物にて魔法の絨毯操られたり
暗幕も人の区別もなく照らすミラーボールの水玉の群
桟敷には親子連れいて長閑なり三角氷菓の運ばれて来し
ブロウするアルトの女アルルの女猫なで声は闇に置き去り
貝殻の釦押さえる細い指朝顔からは蝌蚪の渦巻
たましいの玉を操る曲芸師一つも零さぬことが怪しい
弓を向け弓で射るまいキューピット押さえつけたる指の震えよ
上弦の月出て弦の押さえられ震わす指で漣起こす
黒猫に弓張月は匿われ漣を呼びたもう役目を
稜線に掲げられたりタンバリン数多の衛星共鳴りしたり
竪琴の産み落としたる星屑を拾い集めてお裾分けせん
彼方では電気ベースの螺子巻かれ桟敷の釘の頭を撫でる
頂のバイオリン弾まで届く空中ブランコ軍配ギター
黒猫の暗躍の街マタタビを混入されたオレンジジュース
焼酎の瓶を手にした女優でも黒猫の単語を諳んじきれない
鉄の輪のつながり離れ組まれては我獅子となり跳んで火に入る
頭頂に剣天秤頂いてつり合い保つ踊り猫たち
アコーディオンの蛇腹は大蛇の伝説の名残と紛うオロロロロロロ
歌を止め激辛占い始めたりオペラの声のぶり返しつも
東西南北黒揚羽舞うサアカスの川の畔で脚が痺れる
サアカスの出口の階段上りては歌姫おられ背後見られし
まだ昼の東中野の飲み屋街ジャズ猫金魚余韻の路地よ
土手茂り東中野の東口階段改札階段ホーム

―――――――――――――――――――――――
初出【 うみねこの箱舟 】
http://tanka2.seesaa.net/
Posted by 二健 at 2011年07月01日 18:20
歌劇楽団鑑賞句
(煉獄サアカスLIVE「マドリーと黒猫騎士団」に取材-回文俳句28句)
  ラメ美の姫等
                 宮崎二健
勝ちだサアカスか朝立ちか
いなして場の九献煉獄の果て竹刀
良い喇叭響く日々は辛いよ
ナンを取るアルト女
指揮を取る遠岸
軽い鳶どこで竪琴人いるか
垂れ魔羅か黒猫のゴネ六に絡まれた
手が攣れて騎士団出し奇天烈かて
長い間の斬る剣の舞かな
那覇の街ベリーダンス済んだり糸瓜の花
オカマ区アコーディオン置いて小悪魔顔
夏季電気ベース斜へ金的か
語れ藁バイオリン倫理追い払われたか
弥立ち弦の振動頓死ノンケ達よ
夜吸うロープでブロウするよ
草丘ざあと朝顔咲く
蚊むずり後多雨夕立のリズムか
夜減らしの頑固やコンガの調べよ
大人しく役者敷くや櫛などを
地下室の花火は火縄の旋毛がち
ルベラン記の故知いいちこの金ラベル
よよしいてんがいさん才鑑定所よ
鰐ら歌口渦吸う地区だ裏庭
ラメ美のたうち歌の姫等
牢獄やん暗躍行路
野人理知否一輪車
長く酒酌む父槿咲くかな
雨後の東中野悲し黴の候
Posted by 二健 at 2011年07月01日 18:24
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Excerpt: (煉獄サアカスLIVE「マドリーと黒猫騎士団」に取材-30首) 七月の日差しを背負い地下室の煉獄サアカス花火の如し 口上の韻律を次ぐ喇叭隊さらには弦の震え重なる 銀色の横笛光り黒髪のダンディ一際..
Weblog: \【 うみねこの箱舟 】/
Tracked: 2008-07-16 14:41
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