2009年03月28日

東京ポエトリー・フェスティバル2008(TPF2008)へ

「東京ポエトリー・フェスティバル2008」(TPF2008)
2008.10.31〜11.2 御茶ノ水 明治大学リバティーホール

▽Tokyo Poetry Festival 2008 http://www.geocities.jp/tokyopoetry/
▽TPF2008プログラム http://www.geocities.jp/tokyopoetry/programJ.html

tpf08詰縦jpds.jpg

〔TPF2008感想その一〕

会期2008年10月31日〜11月2日の内、
御茶ノ水は秋晴れの11月1日の土曜日に行って参りました。
朗読の始まりは午前10時で、普段の私は就床中の時間、
案の定20分遅れで入場すると、後ろのドアの辺におられた美樹さんに
「あらっ…」と第一声を掛けられました。
舞台では、お目当ての高坂明良こと葛原りょうさんが朗読真っ只中、
あわてて鞄からデジカメを取り出し、写真を二枚ほど撮ったら、
もう終わりになってがっかり…。立ち撮り望遠ゆえピンボケになりました。
運よく出会った美樹さんと話の続きをするつもりが、
どこかに消えてしまわれ、二度目のがっかり…。
独り真ん中辺の空いていた席に座り、一先ずやれやれ…。
受付けで戴いたペットボトルのお茶を飲んで二度目のやれやれ…。
多目的ホールでありながら、入場料は1ドリンク付いて二千円は、
高くはないなと思いました。気が利いているサービスでした。
さすが協賛企業がついているだけあります。


かなり広い会場で、ゆっくり落ち着けました。
写真を撮っても、途中出歩いても咎められないのも気に入りました。
途中で場外に外出して戻ってきてもオーケーです。
私は16時頃に独り抜け出して神保町の耽美系書店兼カフェへ行って、
コーヒーを飲んで店主に展示品の髑髏と記念写真撮ってもらって、
1時間後に凩の坂を登って出戻りしました。
受付で立ち番されていた秋尾さんにジョークを飛ばされ苦笑しました。


以上のことでも分かると思いますが、
TPF2008は、観客の自由度が高いです。
他所では、もの静かに観ることを強いられる場合が多いです。
それと、この世界詩歌朗読活動の将軍と例えて言いましょうか、
理事長の夏石番矢さん自らが先陣を切って司会者兼翻訳者を
やられているのには感心しました。どうどうと戦陣に赴いて
陣頭指揮してこそ首謀者ならずとも、れっきとした将軍像です。


基本的に朗読者は入れ替り立ち替りの一人舞台です。
広い舞台もさることながら、客席は500席はあるだろうと思います。
広い客席も人で埋まらなければ印象は閑散とします。
満席を目論んでのことでしょうが、高尚な文芸活動である
詩の朗読会での人集めは、容易くはないでしょう。
見込める集客数に見合った適度な会場を満席にした方が、
成功したという実感が持てると思います。

〔TPF2008感想その二〕

さて、詩人やら俳人やら、西洋人やらアジア人やら、次から次へと出てきて
詩歌俳句の朗読をされ、丁寧に翻訳もセットで朗読され、
正にユニバーサルでバイリンガルなポエトリー・リーディングの集いです。
受付けで千円出して『TPF2008アンソロジー』の分厚い冊子を買えば、
日本語外国語で表記された全作品が載っているので、
ライブとテキストの両方で鑑賞し、理解を深められる仕組みです。
多くの観客、ことに外国の方がこの冊子を見ながら朗読を聴いていました。
やはり、翻訳や活字テキストや撮影も込みで朗読表現があり、
朗読作品の言葉の意味を理解し合うことは、大前提なのだと思い知らされました。
ほとんどの朗読者は、自らの作品を正しく伝えることを目的とした朗読でした。
当然のことなのでしょう。


しかしながら、そのことは言語を介する表現として当然ながら、
感覚や感情に訴えてくる朗読者も何人かいました。
・気概や入魂をもって迫ってくる絶叫系気魄派の
高坂明良、福島泰樹、飛び入りを申し出た月乃光司ら。(深刻で俳人らしかった)
・イロニーや笑いで潤わす道化派のねじめ正一。(滑稽で俳人らしかった)
・培った詩嚢の年輪に人間味の熟成の加わり、
存在そのものが有難い後光派の先生方。(師匠的俳人らしかった)
・特筆は、飛び入りが設定されてないにも関わらず申し出て舞台に上がった
月乃光司の勇気や積極性には恐れ入りました。(社会性の俳人らしかった)
氏の朗読は、アル中や引篭もりの実体験に根ざしてとの事ゆえ、
負のメンタルを覆すパワーに溢れ、怒り、誹謗、皮肉、標榜、社会性、
私性、身体性など直情的ながら説得力のあるものでした。
俳人に欠落しているものが彼にはありました。


昼休みに詩人の森川さんと知り合いました。
彼に言わせると月乃さんの舞台に対して「あんなのは詩ではない」と言い切ってました。
ご本人の月乃さんは、「私の表現はジャンルにはこだわらない」とのことで大変刺激的でした。
毒消しに、おかわり無料コーヒーを3杯も飲みました。
この会話は、高坂明良さんが手引きしてくれた
月光一派のランチ後の雑談でのことでした。


〔TPF2008感想その三 〕

その昼休みの客席通路やロビーで、懐かしい人やら思い出深い人と
会釈や立ち話が出来たのは幸いでした。
ことに近年、私は俳壇から遠ざかってますから。


基、TPF2008は、わが国特有の俳壇色は希薄で、
世界的な詩人色が強い大朗読会でした。
前出以外の方々で挨拶の恩恵に被れたのは、
大井、田中(庸介)、佐久間、生野、夏石、八木、
鎌倉、辰巳、伊津野の各氏らのそうそうたる面々です。
やはり詩歌俳句の朗読系の方々が集まって来られました。
私が唯一所属している俳句同人誌の「豈」の人は3人で、
まだまだ朗読活動には触手が動かぬようです。
某の「もののふの会」も「俳ラ」(08.10.25に15回目を開催済)など
10年に渡る活動していながら、私1人で淋しい限りです。
尤も高坂明良こと葛原りょうさんが、9回目出演と15回目飛び入りで
関わってくれたことはありがたかったです。
詩人らは言わずもがな、「月光」の福島さんと高坂さん、
そして辰巳さんや伊津野さんら歌人たちの朗読表現への挑戦と、
その質の高さは日夜更新しています。
先達の福島さんは抜きん出ていますが、
各氏の弛まない努力には目を見張るものがあります。


何をおいても、朗読表現不毛の俳壇に身を委ねず、
詩歌朗読のツワモノを掻き集めて、
渡り合う世界詩歌俳句の将軍たる夏石番矢さんが
東京でユニバーサル・ポエトリー・リーディングの
先陣を切っている現実があることは見逃せません。
TPF2008のホームページの設立趣意書を読めば、俳句と兄弟分の川柳を
取りこぼしているのは何故か? 詩とは認められないのか? と疑問もあります。
「詩と俳は別もの」と考えている私は、世間常識〜学識の通り、
俳句の上位概念に詩を据えている詩上主義(造語)は気に入りませんが、
見識見解の相違ということで一先ず理解しましょう。


しかしながら、あれだけの外国の詩人を東京に集結させたとは、
経済状況は大丈夫なんでしょうか。他人事ながら心配です。
この不景気のどん底でも、
詩歌俳句文化の光を導かんとする有言実行には感服しました。
TPF2008実行委員会の皆さんの尽力には敬意を表します。
今回、盛りだくさんのTPF2008に、一日観客として出かけて、
得られたものがたくさんありました。
私は、人前での俳句朗読に焦点を絞って見て思い考えました。
ああやればこう、こうやればああとか…、
俳句朗読の方程式のバリエーションの勉強にもなりました。
俳句朗読に於ける有効な未知数を求めるための経験値になりました。
翌日の11月2日も行って見たかったのですが適わず残念でした。

  言の葉のバイリンガリズム紅葉せり  二健

等々、貴重な経験をさせて頂き、思いを巡らしながら、
この文学史的イベントの功績を、せめて写真ででも残そうと
自分の席から勝手に撮影させて頂きました。
ご覧のように縮めて挟を入れ詰めて並べて一枚ものに編集しましたが、
オリジナルは別々に保存してありますので、
関係各位のご要望があればデータで送って差し上げます。
どうどお申し出下さい。

※09.3.14、最終推敲    36-4642
初出 BBS「俳の細道」 http://8217.teacup.com/samurai/bbs

posted by 二健 at 02:22| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 朗読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
葛原りょうアップしますね。
Posted by 俊樹 at 2009年06月19日 11:49
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