2005年06月03日

樋口由紀子集 ―セレクション柳人13

ペン樋口由紀子著 島田牙城編 邑書林2005.05刊
114頁 四六判 税込1,365円 ISBN 4-89709-512-3 C-CODE 0092

□帯文:現代川柳に文学としての可能性を追求する20の個性
「川柳は大きく化ける可能性のある文芸です。次の時代に繋ぎたいのです」樋口由紀子
『ゆうるりと』抄、『容顔』全句、同二集以後の句、散文・略歴・索引等収録
樋口由紀子論執筆=村上直之、堀本吟

□略歴:1981年川柳を始める。川柳同人誌「MANO」創刊同人・現在編集発行人、
「バックストローク」会員、「零の会通信」、「豈」(27号〜)同人等所属
句集『ゆうるりと』、『容顔』。合同句集『現代川柳の精鋭たち』を刊行
神戸新聞文化センター・姫路よみうり文化センター講師
第15回川柳Z賞大賞、第2回川柳句集文学賞大賞受賞
姫路市在住

バーサムライ最終来店日:2005.05.21(バックストロークin東京三次会)

□ 抄出句               頁 寸感

  わたくしの暗さを独楽にして回す   21 自転車操業のようなもの。
  罪状は書き出してある雛遊び     35 今日は確信犯の雛祭り。
  婚礼布団のすみっこにあるふくらし粉 52 取り繕いの見栄えだった。
  オサマビンラディンの髭が売っている 73 非日常が売り物なのだ。
  うつぶせに眠る男と白牡丹      77 疑死に白けている牡丹。

演劇寸評:現代川柳界の中堅たる作品の完成度と活躍振りには定評がある。
五七五の定型口語現仮名表記が基本路線で、言葉も平明で分かり易い。
しかし単純や単調ではなく、内容はウイットに富んでおり奥深いものがある。
季語が入った句では、現代の有季定型俳句との決定的な差異はない。
一句が心理描写の詩となりえており、その分川柳本来の穿ちや風刺度の陰影は
どうなっているのか考慮して読むとなお面白い。
詩への収斂傾向は現代俳句も同様で、必然的に両者が接近し、
同化傾向にあることは明白だと言わざるを得ない。
村上直之の論「俳諧の正統を継ぐもの」を興味深く読んだ。
ならば立派な俳人ではないかと思いきや、堀本吟の論では、
「現在最も俳諧(徘徊)的な定型詩人と言える」と結んでおり、
樋口由紀子は、柳人、俳人、詩人のどれなのか、全てなのか、焦点が分散した。
川柳とは何か、俳句とは何か、ひっくるめて詩でいいのか、模索あるのみ。
posted by 二健 at 06:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 川柳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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